朱雀野にて

一次創作を書き散らしたりお知らせしたり

処女だけど、さすがにお前は願い下げ

 ご無沙汰しております。島原です。

 3カ月に及ぶ休職期間から脱し、弥生の中頃からひっそり社会復帰しておりました。社内の方々の寛容さに頭が下がりっぱなしです。まだ頭がぼんやりしているような感じがするし、前のようにガツガツ文章が書けなくなってしまっていますが、どうにかこうにか頑張っています。

 

 さて、今回はTwitterの方でずっとやるやる言ってて放置していた「短歌のまとめ集」です。鬱屈していた冬の合間に細々と、原稿用紙にカキモリの万年筆で書き連ねていた短歌を、ここらでまとめておこうと思います。

 

不安な夜空へ捧ぐ歌

 

 

どこを見ていても苛立つ寒い夜 みんな全員死ねばいいのに

 

不確かなこんな世界でただひとつ万能感なら「オッケー、グーグル」

 

君のこと、別に嫌いじゃないけれど、幸せそうにはしないでほしい

 

くたばってしまえ、と吐いたこの口が吸わない煙草の味を欲しがる

 

画面越し、言ったもの勝ち 罵詈雑言 聞き返すけど「誰だてめぇは」

 

保湿して、しつこく塗って、守ってよ 摩耗していくナイトクリーム

 

 

ひねくれたご時世

 

 

先延ばしにしたいだけなの 本当はモラトリアムに還りたいだけ

 

人間が百年生きるこの時代 純愛なんて愚かしいよね

 

フォロワーの数が何だよ 気付きなよ それはお前の敵の数だよ

 

起きてから布団を出るまで四時間半何もできない自分がきらい

 

未来には希望がないし誇る過去もない 私の生きる理由は?

 

恋人がいないデメリット 教えて セックスさえも買える時代に

 

 

堕落的女子生活論

 

 

 

眠るのも朝が来るのも怖くって深夜一時に始める掃除

 

連絡が来ると疎ましいだろうに気にしちゃうのは私の悪癖

 

ポジティブな歌詞は眩暈を起こすから、近頃サントラしか聞かない

 

笑うとき割れた唇が痛くて、いつまで経っても気狂いのまま

 

 

鉄の味、豚骨、バジル、紫蘇の味 一昨日の飯は思い出せない

 

似合わないことは気付かぬふりをしてお高いワンピースに焦がれる

 

 

少女でいられない女

 

 

憧れのブランド買える収入は 似合う年頃 代償にして

 

「好き」だけで成立できた幼い日 あの頃恋をするべきだった

 

顔・背丈・経済力とご両親、加えて中身、テストは厳しい

 

恋愛が体液臭くなったからもう夢見るのはやめにしたの

 

処女だけど、さすがにお前は願い下げ 性根が童貞に毒されすぎ

 

わたしがこんなに可愛くしてるのは別にあんたのためではないよ

 

療養のための旅路より

 

 

常闇から逃げるように遮った 穴蔵が眠れない夜を往く

 

鈍行の窓を挟んで見た夜明け 福知山の空は明るい

 

雪残る十二月の城崎には僕の知ってた孤独が漂う

 

言えなくて何もできない記憶より 旅の恥ならかき捨てていけ

 

湯治場で火照る身体を投げ出して浅い眠りに居続けたいのに

 

その気のない自死に焦がれ続けたら、かの神様は呆れるかしら

 

「甘くない」が別段美味しくもない酒の無聊に柿ピー食べる

 

晴天に雪解け水の降りしきる 狐が嫁入る朝の城崎

 

階段の脇に貼りつく文字・単語 待ち受けたるは死体のレプリカ

 

少しだけ早く覚えただけなのに先生ぶるの エッグカッター

 

十五分、待って割ったら出来上がり 塩振り食す温泉卵

 

「若い娘はより一層美しく」茶化す老女の優しき瞳